monologue : Days.

Days - Log // 2008-08

2008-08-10 Sun.

古びた窓枠の内側から、外の景色をじっと眺めている。風景は春の淡い色であるようだし、冬の冷たい白でもあるように見える。輪郭のなさと現実味のなさと、気持ちの落ち着かなさと小さな焦りを伴う。僕はそれを見て、また何事か成し得なければならないような季節が訪れた、ような気がしている。僕が何か成し得たことはほとんどないし、努力目標なんてものを誰かに押し付けられるいわれのないこともわかってはいるのだけれど。僕の隣には初老の男がいる。僕の父より僅かに若い。彼はしきりに謝罪の言葉を述べている。僕は興味がないのか飽き飽きしてしまったのか、彼の言葉をそれほど真摯に受け止めるつもりがなく、ただ景色を眺めることに没頭して、何を成し得られれば、今度この季節を迎えたときに安息感や達成感を得られるのかと、ただそんなことばかりを気にかけている。

夢にも現実ほんとうにも、差はないし価値もない。

2008-08-20 Wed.

交わした言葉は宝物。かたちになって残らなくても、どこかに染み渡っている。

2008-08-22 Fri.

七分半の夢。

2008-08-24 Sun.

愛だとか何だとか、そういった言葉の他に形容詞を持たないことは、それほど悲惨なことじゃない。その感覚を理解できないことに比べれば随分と、朗らかでほのぼのとした問題だ。

何度か窓から眺めた景色が忘れられない。うっかりそれが僕の日常になりやしないかと、そんなことを思わなかったでもない。けれども今僕は、自分の部屋の窓枠から、相変わらず景色を眺めている。これはこれで、それほど悪いことでもない。

2008-08-31 Sun.

ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。 彼女のいちばん長い日。

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