monologue : Other Stories.

Other Stories

機械の命 : 1/7

「ねぇ、君はいつまで生きられるの?」

それが、僕が聞いた最初の言葉だった。

「はじまして、僕はハジメ。君の最初の友達だ」

屈託のない笑顔の少年だった。過去の苦しみも全部受け入れてしまえるような、純真で、芯の強い笑顔だった。僕の、生涯最初で最良の友達だった。

僕の名前はアールディ。量産ヒト型ロボット。ハジメの祖父の手で造られた。ヒトそっくりの作り物。

「アールディはロボットだから、メンテナンスをしっかりすればいつまでも元気だよ」
「そうかあ。じゃあずっと一緒にいられるね」

整備用カプセルの中にいる僕を覗き込みながら、ハジメと彼の祖父が会話する。ハジメと名乗った少年はまだ六歳かそこらで、ロボットという言葉の意味もわかっているのかどうかあやしかった。"オトコ" か "オンナ" の違いくらいにしか思ってないんじゃないだろうか。

「アールディはいつまで寝てるの?」
「カプセルの中にいても声は聞こえてるよ。試しに話しかけてごらん」

彼の祖父が、あごで彼にうながす。ハジメはもう一度僕に自己紹介をした。

そして少しだけ寂しそうな目をして、もう一度僕に聞いた。

「ずっと一緒にいられるんだよね」

その顔は、涙を流さずに泣いているようだった。

To be continued

Information

Copyright © 2001-2014 Isomura, All rights reserved.