monologue : Same Old Story.

Same Old Story

幼なじみ

幼なじみの彼女との帰り道。別にこの光景に違和感はない。昔からの習慣だから。

ただ、今日は僕の気持ちに違和感があった。今日、ずっとあこがれていた女の子に告白した。散々な結果に終わったその会話は、こんな具合だった。

「やだわ、冗談はやめてよ」
「え?」
「あんな可愛い彼女がいるのに、私をからかおうっていうの?」
「?……! いや、あれは幼なじみで」
「冗談もいい加減にしてよ、ただの幼なじみとあんな楽しそうにいられるわけないじゃない」
「いや、本当に」
「もう、のろけなんか聞かないわよ」
「…………」
「とってもお似合いなんだから、どうぞお幸せにね」

そう言って彼女は行ってしまった。

隣を歩く、幼なじみの彼女を見る。確かに可愛い方だと思う。恋人がいるという話も聞かないし、それに最近、ことあるごとに女らしくなったと思う。

彼女が僕の視線に気付いた。

「何? 私の顔に何かついてる?」
「いや、別に」

わざと遠くを見て言った。

「次の日曜空いてるかな、と思って」
「空いてるけど、どうかしたの?」
「……じゃあ、デートでもしない?」

彼女は一瞬とまどったようだったが、すぐに笑顔で答えた。

「そうね……君のおごりならね」

Fin.

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