monologue : Same Old Story.

Same Old Story

悪夢

「うわぁっ!」

大声を張り上げて飛び起きた男に、友人が声をかけた。

「大丈夫か? 随分うなされてたぜ」
「ああ。悪い夢を見て……大火災にあう夢を」
「とんだ夢だったな」

友人が慰めの言葉をかけると同時に、地震が二人を襲った。

「……大きいぞっ!」

声を張り上げると同時に建物が崩れ、二人は押し潰された……。と、そこで目が覚めた。友人が尋ねる。

「大丈夫か? 随分うなされてたぜ」
「ああ……今度は地震の夢だ……」
「とんだ夢だったな」

そのとき突然轟音が鳴り響き、二人のいる場所へ大型のトレーラーが突っ込んだ。

「……うわあぁっ!」

骨が砕け、体がバラバラになり……。また目が覚めた。友人が尋ねる。

「大丈夫か? 随分うなされてたぜ」
「ああ……いや、ひとつ聞いていいか?」

額の汗をぬぐいながら言う。

「これも夢なのかい?」

Fin.

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