monologue : Same Old Story.

Same Old Story

軽い眩暈を伴って、意識がはっきりしてきた。

「悪い夢を見たよ……」

独り言のようにつぶやく。

「僕は既に死んでいる、って夢だ」

辺りを見回す。

「僕が死んでいて、それで」

誰にともなくつぶやく。

「……ちょっと待てよ」

一瞬言葉に詰まる。

「僕が生きてるって誰が証明してくれる?」

辺りを見回す。

「"死" なんて周りが決めることじゃないか」

幼い頃に死んだペットのことを思い出した。気付かないうちに死んでいたペット。自分が気付くまでに、何が "死" を定義してやれた?

「僕が生きてるって誰が証明してくれる?」

無人の部屋に声が響く。

「僕が生きてるって誰が証明してくれる?」

Fin.

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