monologue : Same Old Story.

Same Old Story

迷わない君

「私といるとそんなにつまらない?」

半分泣きながら、彼女は彼に詰め寄った。

「そんなことないよ」
「嘘ばっかり! いつも遠くの方を見てる!」

彼は、少し苦い顔をして言った。

「苦手なんだよ、そういうの」
「何が!? 私を見ることが!?」

彼女の目からは涙があふれた。

「……他に気になる子がいるの?」
「違うんだ、君は、なんて言ったら……」

彼女は泣きやまなかった。空気は異常な重さだった。

少しの沈黙の後、ひらめいたように彼がつぶやいた。

「そうなんだ」

彼は彼女に歩み寄った。

「どうすれば伝わるのかなんて……」

彼女の顔から涙をふき取り、続けてこう言った。

「最初からわかってたのかも知れないな」

彼は何も言わずに彼女の細い体を抱きしめた。その手は力強く、何の迷いもなかった。

Fin.

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