monologue : Same Old Story.

Same Old Story

在り様

" かわいそうに。あなただけ "
「うるさい!」
" あなただけおめおめと生き残って "
「……うるさい」

君たちはもう死んだんだ。あの日、飛行機の事故で。生き残ったのは飛行機に乗り遅れた僕だけなんだ。君たちはここにいるべきじゃない。

" でも、君が残るべきだという根拠もない "
「…………」
" 僕たちと一緒にこっちへおいで "
「……僕に憑いてどうするつもりだ?」
" 一緒に行くのよ "
「……殺すつもりか」
" そういうかたちにならざるを得ない "
「ハハッ! 本性を表したか! 僕を殺すまで成仏しないつもりか!」
" ………… "
「何とか言えよこのやろうっ!」
" でも、私たちを引き止めているのはあなただわ "
「…………!」
" 自分でもわかっているはずだわ "

彼らの言葉に耳を傾けた途端、僕は体が軽くなった気がした。

" ……おいで。一緒にいこう "

そしてこう思った。あるべきものがあるべきところに帰る。それだけのことかも知れないな、と。

「……待たせてごめん。今行くよ」

Fin.

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