Days - Log // 2004-04
2004-04-01 Thur. 嘘日記 「エイプリル」
目が覚めたら、もう窓の外は真っ暗だった。寝違えたのか、少し痛む首をさすりながら、携帯電話の液晶に目をやる。不在着信も、新着メールもなかった。
「……なんだ」
彼女から、訂正や謝罪の言葉はなかった。嘘では、なかったのだ。
「……タイミング考えろよな」
目が覚めたら「嘘でした」なんて落ちだろう、そう考えて去っていく彼女を引き止めることはしなかった。四月馬鹿に必死になる姿なんて見られたくないなんて、なんて小さくて情けない虚栄心だったんだろう。何を後悔してももう遅いのだけれど。
「四月一日、フラれました」
日付は午前一時と少しをまわる。彼女の言葉が脳裏をよぎる。
「もうこれっきりだから。やり直しはないからね」
あれは、最後のチャンスを与えようとしていたのかも知れない。彼女なりに猶予を与えたつもりで、いや、どちらにしろもう手遅れなのだけれど。
「ハッピー・エイプリルフール」
続けて、馬鹿は僕だけです、とつぶやく。
2004-04-02 Fri.
最近、夕方を過ぎると体調が悪くなる。なんだろう。
2004-04-04 Sun.
"RED DRAGON" 観た。あとテレビでやってたので久しぶりに "JUMANJI" も観た。キルスティン・ダンスト可愛い。
2004-04-05 Mon.
"TATARI" 観た。和風なタイトルで向こうの人はわかるのかと思ってたら原題は "HOUSE ON HAUNTED HILL" だった。紛らわしい改変。
2004-04-07 Wed.
履修登録の確認に学校へ行ったら、新入生らしき人がたくさんいた。
桜が散り始めて、冬の匂いがしなくなった。
2004-04-08 Thur.
いつも行くラーメン屋に、新人らしき店員が二人増えていた。彼らの指導にかかりっきりで、いつもの店主の威勢の良い挨拶は聞かれなかったけれど、春だなぁと思うと悪い気はしなかった。
2004-04-09 Fri. 狂言
「酷いよ、こんなの。どうして、こんな。もっと誰にとっても良い解決方法がきっとあったのに」
「じゃあ君は、それを見つけているのかい? 誰もが幸せになれる方法を、悲惨な現実の変わりに理想の社会を築く方法を、君なら実践できたと思う?」
" Irresponsibly Happiness "
2004-04-10 Sat.
やらなきゃいけないことはあるのにやれない。そういう性格。諦めも悪い。
2004-04-11 Sun.
頭がさっぱりした。
2004-04-13 Tue. 嘘日記 「電車を待ちながら」
「少し、話しませんか」
彼女が不意にそう言うので、僕はホームへじわじわと寄ってくる電車を待つのをやめ、ベンチの空いている側へ腰を下ろした。
「何か、話したいことでもありましたか」
思いもかけない言葉に戸惑っていたからだろう、僕の言葉は酷く丁寧で、不器用なものに聞こえた。僕が彼女だったら吹き出していたかも知れないが、彼女は真面目な顔のままだった。
「特に、何ということもないのですけれど」
また彼女も慣れない提案のせいか、少し不自然な話し方だった。僕は吹き出したりはしなかったけれど。
「少し、くだらない話でもしませんか」
彼女が、初めて
2004-04-16 Fri.
他人の人生の重い部分を垣間見るのは、結構な負担になることがある。そのことで君は「頼り切りで申し訳ない」と言うけれど、救われてるのはお互い様なんだよ。
2004-04-18 Sun.
日曜洋画劇場の間の悪さといったら。
2004-04-19 Mon.
彼の持っているものに嫉妬したり、同情したり、彼が持っていないために憂鬱になることを知ったり、優越を感じたり。そんなもんだろう。
とにかく腹はふくれているし、退屈もしていない。
2004-04-21 Wed.
体調管理もスケジュール管理もぐだぐだ。
2004-04-23 Fri.
シュレッダーを自前で持ってる家庭ってどれくらいあるんだろう。初使用。
2004-04-26 Mon.
とにかく筋肉痛。
2004-04-27 Tue.
本当に価値のない一日を過ごしている。
2004-04-29 Thur.
ふと「どうして高校入ってからは部活やらなかったんだろう?」ってことが頭に浮かんで、顧問が生理的に好きになれなかったからとか、男子生徒が四人くらいしかいなかったからとか。もっと不均衡な男女比の中でもう四年目か、とか考えたら、何だか可笑しくて自然と笑いが込み上げてきた。
2004-04-30 Fri.
自分だけでは出来なさそうなことを、誰かの力を借りてでも実現したいとまで思うに至らない。自分の書いたショートショートの英訳とか競作とか絵本とかそういうことを考えたりはするのだけれど。そのうちそのうち。