Days - Log // 2004-09
2004-09-02 Thur.
"CUBE2" 観る。ちょっとがっかり。
2004-09-03 Fri.
手に持っているくだらないものを捨てきれないおかげで、面白いものに巡り会える機会のほとんどを無駄にしている。というのは、責任が他所にあることにしたがるのと変わらないだろうか。
2004-09-04 Sat.
ついこの間買った LOMO SMENA 8 で撮影したフィルムの中のほとんどの写真がこんな感じに露光しているのだけれど、原因だとか解決策だとかが思い浮かぶでもなく。
2004-09-07 Tue. 狂言
「最近、あの子とどうなってんの?」
「うん、まあ、全然。何もない」
「結構頻繁に連絡してたじゃん。なんだ、くっつくと思ってたのに」
「うん、まあ……きっと、必要なのは僕じゃないんだよ」
「必要?」
「うん、彼女、なんて言うか、帰るところがあるから、さ」
" Drive You Home "
2004-09-12 Sun. 嘘日記 「想い出の品」
本棚を整理していたら、中学生の頃、同じクラスの女の子とやり取りした小さな手紙が山のように出てきた。紙ケースの中へまとめて隠すように、無造作に突っ込まれたそれの数は、全部で三十弱にも及んだ。中身はどれも他愛ないような会話で、主語が抜けていたり代名詞で片付けられていたり、万が一誰かに見られても困らないような無意識の細工が施されていて、僕はそれを読むごとに思い出と対面することになった。そのうちのいくつかのものは、思い出したくない類のものだったけれど。
「……懐かしいな」
僕がようやく口にできたのはそれだけで、あとはただ、手紙の文字と彼女の名前と、一字一句に胸を高鳴らせていたような当時をなぞって、久しぶりに、けれどあまり快くないそれを追体験するだけだった。ろくでもない結果を知っている今となっては、どれもが間抜けで片手落ちな行動でしかなかったように思えた。
僕は、彼女が好きだった。
「また、そのうち」
上手く言い訳を口にできた僕は、手紙を全部、元のように無造作に紙ケースへ突っ込んだ。あれを何かの基準に沿って整理するには、まだ心の準備期間が要る。懐かしさと、情けなさと、再会にも似た喜びと、ただ途絶えない後悔と。今の僕には、荷が重い。
「また、そのうち」
上手く、言い訳を。
2004-09-13 Mon.
"TAKING LIVES" 観る。悪くはなかったけれど、"羊たちの沈黙" を期待するのは間違い。
2004-09-15 Wed.
変わらない、変わらない。
2004-09-17 Fri.
思い出すだけで頭を抱えるような記憶がいくつかある。それを抱えて、支えにしているから、とりあえず今日とか明日は乗り越えられる。気がする。
2004-09-19 Sun.
独力で習得できるはずのことをわざわざ学校まで行って学ぶということは、とても覚悟が要ることで。怠惰と逃避の言い訳にしかなっていないけれど。
2004-09-22 Wed. 嘘日記 「良くない言葉」
「あまり良くないな、こういう話は」
真剣に言葉を選んだつもりだったのに、口を突いて出た言葉は、ありきたりで印象の悪く何も良い方向へは導けない、(いつも僕が吐き出しているような)そんな類のものでしかなかった。
「僕は、君のことを、もっと理解したいと思ってる。そのためにこの何年か努力し続けてきたし、これからもきっとそうする。けれど、君は、どうして、そんなことを」
「知らないくせに」
彼女の言葉が核心を突き、瞳の色が疑惑から確信へ、僕を追い詰める、断罪、けれどそれは同類を哀れんで見つめるような、深く澄んでけれど苦しげなものだった。
「知らない? 僕が、何を知らない?」
「あなたは私を知らないわ。何も知らない。何を食べてどこへ行くのか、何を観て何を聴くのか、誰と話してどんな男と寝るのか、私が何を好きなのか、あなたは何も知らないでしょう」
牧羊犬がそうするように、自信に溢れて僕を追い回す、言葉。
「……あまり良くないな、こういう話は」
ありきたりで、何も良い方向へ導けない、僕の言葉。
2004-09-26 Sun.
面倒なことは大抵面白い。
2004-09-27 Mon.
無くしたと思っていたサキの短編集を見つける。「二十日鼠」はとても良い小説だし、セオドリック・ヴォラアは西村雅彦だとしか思えない。
2004-09-28 Tue.
2004-09-30 Thur.
たまに、というか、割と頻繁に、「歳の割に~」ということを言われる。良い意味も悪い意味もあるのだろうけれど。例えば今の性格やら何やらが相応しい年齢になったとき、自分が今度はどうなっているのかを考えると少し面白い。中身だけがより歳を取るのか、年齢相応になるのか、あるいは全然別の何かになるのか。