monologue : Other Stories.
Other Stories
機械の命
- 1/7 : 誕生日、ハジメの日
- 「ねぇ、君はいつまで生きられるの?」それが、僕が聞いた最初の言葉だった。「はじまして、僕はハジメ。君の最初の友達だ」
- 2/7 : 彼が言うには
- 「さあ、ご対面だ」ハジメが僕のところに顔を出してから二日後、彼の祖父は僕をカプセルの外に出した。時間は深夜二時。よくこんな時間まで作業を続けたものだ。
- 3/7 : もっと、教えて
- 「ありがとうおじいちゃん!」ハジメは僕を見て飛び跳ねた。一通り僕の周りをぐるっと回ると、今度は僕に飛びついた。僕はそれを慌てて支え、ハジメが直立できる姿勢に立て直した。
- 4/7 : 理解不能
- 僕が生まれた日から一ヶ月が過ぎた。生まれたというのは少し不適切な表現かも知れない。僕が整備カプセルから出た日から、だ。ハジメは毎日僕にいろんなことを教えてくれた。
- 5/7 : 出発
- 「RD、具合はどうだ?」ハジメの祖父が、カプセルの中の僕を覗き込む。彼は僕を "アールディ" とは呼ばない。いつだって "RD" と呼ぶ。
- 6/7 : いつかその日が
- ハジメ、急に出かけなければならなくなった。いつになれば帰れるのかはまだわからない。もっと早くにこのことを説明しておくべきだったな。すまない。家事のことは研究室の第三カプセルのロボットに任せるといい。
- 7/7 : 機械の命
- 三ヵ月後、ハジメの祖父から急に電話があって、彼は矢継ぎ早に言った。「ロボット協会への抗議文が受諾されてな、チェック項目が大幅に改正されることになった」