Same Old Story
悪夢
- Nightmare
- http://www.junkwork.net/stories/same/030
「うわぁっ!」
大声を張り上げて飛び起きた男に、友人が声をかけた。
「大丈夫か? 随分うなされてたぜ」
「ああ。悪い夢を見て……大火災にあう夢を」
「とんだ夢だったな」
友人が慰めの言葉をかけると同時に、地震が二人を襲った。
「……大きいぞっ!」
声を張り上げると同時に建物が崩れ、二人は押し潰された……。と、そこで目が覚めた。友人が尋ねる。
「大丈夫か? 随分うなされてたぜ」
「ああ……今度は地震の夢だ……」
「とんだ夢だったな」
そのとき突然轟音が鳴り響き、二人のいる場所へ大型のトレーラーが突っ込んだ。
「……うわあぁっ!」
骨が砕け、体がバラバラになり……。また目が覚めた。友人が尋ねる。
「大丈夫か? 随分うなされてたぜ」
「ああ……いや、ひとつ聞いていいか?」
額の汗をぬぐいながら言う。
「これも夢なのかい?」
Fin.