Same Old Story
消えない足音
- Footsteps
- http://www.junkwork.net/stories/same/039
「……? 何だろう?」
一緒に歩いていた友人が妙な声をあげる。
「どうかしたか?」
「何か音が聞こえた……ほら、まただ」
僕には何も聞こえない。
「空耳じゃないのか? 耳鳴りとかさ」
「聞こえるんだよ……足音だ」
僕は首をかしげた。時間は午前零時、場所は大学の校舎。誰が歩き回ってるって言うんだ?
「おい、大丈夫か?」
「誰か忘れ物でも取りに来たんじゃないか? 俺たちみたいにさ」
「そうじゃなくて……俺には聞こえないんだよ」
「この音がか? お前の方がどうかしてるぜ」
彼は譲らなかった。何分か言い合った後、ついに彼は確かめに行くことを決意した。
「俺もついて行こうか?」
「一人で十分だろ……それともビビっちまったか?」
彼はそう言って、音のするという方向へ駆けて行った。
一時間が過ぎても彼は帰ってこなかった。探しに行こうと、何度も考えはした。しかし、その度に動かない方がいい、という気持ちになった。何かがそこらを歩き回っている音が聞こえるのだ。好奇心よりも恐怖を駆り立てる何かが。
Fin.