Same Old Story
死
- Death
- http://www.junkwork.net/stories/same/041
軽い眩暈を伴って、意識がはっきりしてきた。
「悪い夢を見たよ……」
独り言のようにつぶやく。
「僕は既に死んでいる、って夢だ」
辺りを見回す。
「僕が死んでいて、それで」
誰にともなくつぶやく。
「……ちょっと待てよ」
一瞬言葉に詰まる。
「僕が生きてるって誰が証明してくれる?」
辺りを見回す。
「"死" なんて周りが決めることじゃないか」
幼い頃に死んだペットのことを思い出した。気付かないうちに死んでいたペット。自分が気付くまでに、何が "死" を定義してやれた?
「僕が生きてるって誰が証明してくれる?」
無人の部屋に声が響く。
「僕が生きてるって誰が証明してくれる?」
Fin.