monologue : Same Old Story.

Same Old Story

卵と彼女の話

「鳥とかってさ、まず親から卵で生まれてくるじゃない?」
「なんだよ急に」
「それで、卵が割れて生まれて」
「ああ、そうだな」
「じゃあさ、先週卵で生まれて、今日卵から生まれたら、どっちが本当の誕生日なんだろうね」
「……さあ? 鳥に誕生日なんてあるのか?」
「例えば、の話よ」
「どっちにしてもどうでもいいような……」
「あーそうですか。どうでもいいことですいませんね」
「すねるなよ……どうかしたのか?」
「……別に」
「ふーん」
「…………」
「あ」
「…………」
「お前、もしかして今日誕生日?」
「今さら気付いたか、バカ」

キツめの言葉で涙目の彼女は、それでも少し笑顔だった。

Fin.

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